2015-08-06

2015年3月~7月

相変わらず子供楽団やってます。
今年これまでの記録、というか写真ペタペタ貼ってるだけですが。

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3月23日(月)からの4日間は政府官邸前の運河、パドゥンクルンカセーム市場で演奏。タイ軍事政権の意向で暫定的に作られた市場で、子供楽団は去年頃から何度も呼ばれてます。まぁ、予算の都合で使いやすいのでしょう、たぶん。

市場自体が狭いので舞台も狭いです。この時はタイ産米キャンペーンということで看板に "Thai Rice" の文字。

栄養価で優れものと最近人気のファックカーオ(ナンバンカラスウリ?)のジュースを売っていたので、行く度にこれを4日間飲んでみました。果物自体の味は甘みが無いというか、渋いような味なので店頭売りではハミチツ等とミックスされてます。

パッタイをモリモリ食べるダンサー。

年配女性ダンサーのみなさん。最初見るとちょっと引くけど慣れてくると微笑ましく良い感じ。

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4月4日(土)はパトゥムタニー県にて、パトゥムタニー200年祭。

クローンヤーオの楽団演奏中。我々はその後ろで準備している所。町の道路全てがこの遠くに見える電飾で埋まっていて壮観でした。

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4月11日(土)はサイアム・パラゴン広場にて、タイ正月のイベント。

ここは買い物客、観光客が多いから見る人が多くて良いですね。タイ正月らしく花柄アロハシャツでやりましたが、これも楽ちんでなかなか良いです。

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4月17日(金)はナショナル・シアター(国立劇場)にて。

綺麗に飾られた舞台。ここで行われる催しはいつも厳かな儀式めいた物ばかりです。

タイ中部伝統音楽をバックに祝福の儀式を受ける要人。

一方楽屋では鏡で楽しく自画撮りするダンサー達。

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4月21日(火)は王宮広場で、ラタナコーシン233年祭です。

午後の猛暑の中、倒れそうな感じで準備。

遠くから見るとめちゃくちゃ広い舞台。

演奏終えて涼しくなった夕方、のんびり凧揚げを見ました。

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4月26日(日)は恒例ルンピニ公園。
恒例過ぎて何度も来てるので、ルンピニ公園名物の大トカゲの写真でも。

結構大きい魚を咥えてますが、いまいちはっきり撮れなかった。

これははっきり撮れた。立派な模様です。体長2mぐらいあったかな。

この日のダンサー。うつくし。

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5月は中国に住んで二胡を演奏されている日本人のMさんが訪タイされたので、タイ中部音楽の先生を紹介しました。タイのソー(擦弦楽器)を2週間ほどみっちり習えた模様。

すごく熱心な先生で、タイ式楽譜じゃわかりにくいだろうと数字の楽譜を手書きでたくさん作ってくれたようです。この先生紹介して良かった。

ところで中国の二胡とタイのソーってほとんど構造同じなんですね。初めて知りました。先生曰く、その基礎が既に有る人だから請け負ったけど、そうじゃなきゃ教えてないとの事です。

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5月17日(日)はナショナル・ライブラリー(国立図書館)で役人の集まり。文化庁の各県支部の代表が招かれたようです。

仏教系の儀式も有ってお坊さんもたくさん来てました。

各地方の舞踊をあれこれ。南部マラユ系の舞踊もここ数年よく見るようになりましたね。

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6月27日(土)またまた政府官邸前の市場へ。

この狭い舞台でシャボン玉発生器使うもんで、全身に石鹸浴びちゃって困った。ねばねば。

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7月5日(日)はトンブリ側のロイヤル・シティーというホテルでの役人のパーティ。

なんだかこういうのに子供楽団使われすぎの気もしますが。

結構豪華な食事を2食頂いたので、まぁいいかという感じで。

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7月27日(月)はラチャダーに有る高校の募金集め活動のお手伝い。

小雨の中、女子高生二人とおっさん一人のポンランバンド、という異様な光景ですが、予想を遥かに超える額が集まったようです。

しかしリズムとベースをカラオケでやりましたが、どうも物足りないです。これなら下手くそでも自分が太鼓叩いた方が良いんじゃないかと。こういう時の為に太鼓を入手しておくのも良いかな?とか。

そんなわけで、既に本格的に雨季に入って今後は催しも減っていくかな、という感じのこの頃です。

2015-04-02

ケーンの勉強、第4回

3月8日から15日の一週間は、師匠であるロイエト県のケーン職人ブア先生の所で勉強。

師匠に習いに行くのは今回で4回めですが、ちょっとさぼっていたつもりが前回から3年近く経ってしまいました。なんだか時間が経つのが早すぎて恐ろしいこの頃です。

村の外側の土地に新たに作られた作業場。周りは田んぼで養殖用の池も有り、大量の鶏を飼っていてかなりの自然度アップです。来客用の小屋や駐車場もしっかり有って関心。毎日いろんな訪問客が有るのでこれは良いですね。

今回の目的はケーンの修理調整の方法を学んで、普段使ってる2本のケーンを自分で修理する事。自分の思うやり方が正しいか聞いて、実際にやってみて、もし失敗したら師匠に頼ろうという作戦でしたが、思ったより順調で最初の2日間で目的達成してしまった。なので3日目からは師匠が修理依頼で客から預かっているケーンを修理(笑)して、これもなんとか2本完了。「じゃぁ次はこれをやってみろ」と渡されたのが、カラシン県の職人が作ったケーン。これは難しすぎでした。低音のリードの頭がない作りなので、もの凄く薄い。こんなの削ったら即破壊してしまうだろうという物で、色々やってみたけどどうにも調整出来ない感じだった。

ケーンの構造は同じでも作る職人によって方法に違いが有るんですね。例えばリードの形が違っていて他のケーンと同様の方法では調整できない。またルーペー(竹管の上下の調音穴)の距離は1対3というのも、職人によってはそうとは限らない別の法則を使っているとか。この辺はかなり勉強になりました。少なくとも自分で直せそうな物と、難しそうな物の見分けがある程度はできそうだということで、今回の滞在は実が有ったと思います。


その他、風景等。

新しい作業場になっても相変わらずごちゃごちゃな作業台。
右はリードに切れ込みを入れるノミ(タガネ?)用の金床。以前は伝統的に象の骨を使っていたけれど現在はエンジンのピストンを使っているようだ。この金属の柔らかさが調度良いのだそうで。師匠のように30年以上やってても道具がころっと変わったりするのが面白い。


こちらはケーンの修理依頼に来たモーケーン・ソンバット・シムラー氏。お会いするのは8年ぶりぐらいかな。生まれた時から盲目のモーケーンとして、たぶんタイで最も有名な人ですね。修理待ちの間に惜しげも無く次々に演奏を披露してくれました。

携帯でちょっとだけ録画したのでアップしておきました。
 A.Sombat Simla shows guitar-like khaen play

ちなみに吹いているのは自分のケーンで今回修理した物。このケーンの状態はどうか聞いたら「非常に良いよ」との事なので一安心。


師匠の奥さんが作った朝ごはん。ここの食事は何を食べても美味くて滞在する度に食べる量が普段よりかなり増えてしまう。

日本で無肥料無農薬が流行ってるようだけど?なんて話をしたら、「うちじゃ米も野菜も肥料も殺虫剤も使ったことがない、先祖の時代からずっと同じ」だそうで、やっぱり素材からして味が違うのかも。



夕方、ほぼ仕事を終える頃に鶏に餌をやるのが日課で、その時間が近づくと鶏が集まって来る。餌を蒔くと凄い勢いで喧嘩しながら奪い合う。

後で電話で話していたら「今日二羽潰して料理したよ」だそうで…、まぁその為に飼っているわけですが。


近所の人が集まって、作業場の養殖池の魚を捕っている所。養殖といっても最初に数種類の魚を何匹か放したら、あとは放ったらかしで何もしなくても繁殖するそうです。


料理する息子さん。魚は分け合ってもかなりの量で、炭火で焼いたり煮物にしたりで美味しく頂きました。

他にも毎晩バーベキューやら何やら美味しいもの食べまくりで、勉強しに行ったのに申し訳ない感じの一週間でした。


2015-03-31

ラートプラオにて

2月13日(金)はTV局のスタジオ収録へ。

歌手の後ろでケーン吹く人が足りないとかで呼び出されたんですが、丁度手元に楽器が無い時に呼ばれたので楽器探しが大変でした。楽団の高校生が学校の備品のケーンを送ってくれましたが、タクシーにケーンだけ載せて運転手さんが運んで来ました(笑)。


TVを見るのはクーデターとか洪水とかの大事件の時だけなので何の番組か分かりませんが、歌の収録をしているのでたぶん歌番組でしょうけど観覧客は居ない様子。あとから客席とか歓声とかをハメ込むようですね。


楽屋は部屋中が化粧道具だらけです。自分もなんか顔に軽く粉を塗られました、人生初化粧。ですが、なんか塗っても塗らなくてもたいして変わらないようでした。

隅っこの暗がりに居るスタジオ・ミュージシャンの人達。スマホではちゃんと写らないくらい暗い。こんな暗がりで一日中演奏してるんだから大変ですね。

即時打ち合わせでこの人達が歌手の声と合わせる為にキーがころころ変わります。Amスケールのケーンしか無いのに歌の後半がCmとかBmとかになっちゃって、どうしろっつーの?という感じですが、まぁ2,3個音が出てればいいやという投げやりさでした。こういう世界じゃケーンとかはただの飾りかな、と。

この日ご一緒したしたのは王宮方面の教育施設で楽器を教えている先生と、普段催しとかパブとかで演奏している職業演奏家の人です。忙しくしているようで終わったらさっと次の仕事に向かわれました。

2015-03-24

1月17日(土)はシーロムにて。最近のシーロム通りは週末に歩行者天国になる事が多くて、屋台が並んで食べ歩きとかできるようです。

通りに設置された舞台。2車線分の幅なので小さめです。

今回はC先生が率いる「チーム・コートーモー」というポンラン楽団に参加。コートーモー(กทม)というのはバンコク都の意味でして、バンコク都庁に関連した楽団です。

内容は通常のポンランの舞踊セットに加えて男女歌手コンビの歌がたくさんと、クローンヤーオの団体の太鼓など。自分はC先生の話の相手で日本語喋ったり、女性歌手のラムローンにケーン入れたり。ラムローンは異常に感情を込めて歌うという半分ネタのようで、いまいち掴めなくてデタラメ気味でした。

休憩時に男性歌手の人と話したら、「ネタで日本人のふりをするタイ人だと思っていた」ということで、これは喜ぶべきなのか残念なのか、どうなのか?

舞台の電源を準備している風景。

電源車から給電されている配電盤をじっと見るC先生達。どこを配線するか考えている様子。

「これだろ、えいやっ」と接続。

無事に舞台の電源が入りました。

末端でも240Vだから間違えると死にますよね。タイでは素人工事が多いし漏電火事とか頻繁に起きてますが、こういうの見ると納得です。


チーム・コートーモーのダンサーのみなさん。
ほぼ職業ダンサーということで年齢は高めですね。

2015-03-20

1月14日(水)は子供楽団はディンデーン区のお寺ワット・タパーンの寺祭りへ。2009年のデモ鎮圧で死傷者が何人も出た「ディンデーン三角」と呼ばれる三叉路の近所です。

狭い境内に舞台設置。ここでは2年前の寺祭りで一度やってるんですが、住職の方が子供楽団に急遽、また来て欲しいということで駆けつけました。機材調達に急ぎすぎてちょっと問題が起きたようですが…(内容は省略)。

演奏前の祈祷、酒やタバコや花を捧げて過去の師匠達を祀ります。最近あまりやらなくなりましたがたまにやるとなんか気分良い。

演目の間に地元の子供達のダンスとかたくさん挟みます。踊り子が一斉に左右にステップすると舞台が揺れてめちゃ怖いんですが、実際重たいポンランが倒れて危うく怪我する所でした。

ポンランの組み立て式の土台は長年使ってると木のホゾとかが緩んでくるので補強修理とかしないと危険です、と思いつつ、皆なかなかやらないんだよな。

ここでの2年前の催しの時は電力が足りなくて途中3回ぐらい停電して大変でしたが、今回は最後まで無事でした。お寺がしっかり対策されたようです。

全部で4時間程の舞台、やっぱりお寺の催しは楽しいですね。

自画撮りするダンサー達、変な顔し過ぎ。

2015-01-20

こどもの日

2015年、タイの年初の第二土曜日は恒例のこどもの日。マンネリ飽きたと言いつつ相変わらず年初から例年と同じことやってます。

子供楽団の今年最初の演奏会場は政府官邸。前回ここに来たのは、たしか SEA Games 選手団の帰国歓迎会だったなーと日記を探したら、なんと9年前でした。その後数々の政治デモやら鎮圧やら、ついには何ヶ月にも渡る黄シャツ・エリート統治主義派による占拠等でここに来る機会はすっかり無かったんですが今回はこどもの日のための一般開放です。

タイは軍事政権下のこどもの日ということで、ニュースではタイ軍兵が子供に本物の銃を持たせたり戦車に乗せたりという写真が世界中を駆け巡って批判の対象になってましたが、この日の官邸の敷地では一人も兵が居なかったのが意外でした。

建物の隅っこの会場、もの凄く狭い。舞台も小さいのでダンサーが使って我々は横っちょで。

首相一行が来るのに合わせて演奏開始。クローンヤーオが主題の演目なので、太鼓とシンバルばんばん打ち始めた所、首相は子供の太鼓のバチをむんずと掴んで中断させて「もっと軽いのやってよ」と。しょうがないので流行りのルークトゥン「コーチャイレークバートー」をやった所、手拍子してすこぶるごきげんで去って行きました。要人を迎えての演奏にしてもこんな事は初めてだったので、なんか子供っぽい身勝手な人だねぇと言うと、「しーっ言っちゃダメ」と念を押されましたが。

しかし他のメンバーは首相に満足してもらったという事でとても喜んでる様子。こういう所を見ると、少なくともバンコクのタイ人は軍政首相をすっかり受け入れているだなぁといった感じです。まぁ時が経てば支持か不支持か、またころころと変わるんでしょうけど。

それにしてもタイの軍事政権、あと何年続くんでしょうか。いずれにしてもこの期間で統治ルールはすっかり変わってしまい、軍政後も以前と同じ制度に戻る事は無いだろうと言われていますが。

2015-01-08

コンケン県グラヌアン郡へ

 2014年末の3日間はコンケン県の小学校での催しのお手伝いに行くC先生に同行しました。コンケン中心郡から60kmぐらい北東のグラヌアン郡という、これまで名前も知らなかった田舎です。

 帰省の時期なので時々渋滞になったり、ちょっとづつ仮眠を取りつつ15時間ぐらい掛けて到着。まずは楽器の修理。

 音が狂ったポンランはグラインダーで削って調整。それからベースの壊れたペグを取り替えたり、ウォートの竹管にはヒビが入ってるのでテープで塞いだり、色々と壊れまくりなので直せるだけ直します。しかし太鼓は水を張ったり干したりしたけど直せない、叩いてもほとんど音が響きません。
 楽器はどうも全般に元々の品質もよくないようです。先生の話によると、学校の予算ではそもそも楽器の調達からして物を選べない。業者の選定にも癒着が有って品質の割に妙に値段が高かったり、保守の予算なんか最初から無いんだそうで、なかなか厳しい物があります。

 修理の後は2日間の練習。まぁ2日でできる事は細かい修正だけですね。

  催し当日の舞台。あやふやながら、なんとか乗り切った感じです。

  最後は観客が寄付の額に応じた数の花輪をもらい、それを舞台上の身内や親戚の子に渡しているようです。これで集まった寄付は学校の修復や整備の予算になるんですね。うまいシステムですが、花輪が少ない子は寂しくなったりするのかな?

 普段この楽団を指導しているのは、昔バンコクの文化センターに居た舞踊の先生で、なんと楽器を弾けないのに楽団指導者になってしまい、無理やりなんとか教えて数ヶ月で10ぐらいの演目はなんとかできる所まで持ってきました。うまく教えられなくてほとんど泣きながらの状態だったそうです。なので今回の少々のお手伝いに、めちゃくちゃ感謝されてしまった。

 たった3日間だけの滞在でしたが、ここの子供達はバンコクの子供と全然違うと感じました。感情表現がストレートだし、笑顔の良さは圧倒的です。バンコクの子供は塾だと試験だのと一年中やたらと忙しいくていろんな圧迫を受けてるからでしょうか、こういう明るさは無いですね。ただこの村には暗い面も有って、村の薬物中毒患者数はコンケン県で最悪。両親が揃っていない子供が多数です。が、そんな事を一切感じさせない明るさでした。
 
 舞台上でもこの調子。

その他:

 合間に他の演目も色々有りました。こちらは地元のクローンヤーオ楽団。この楽団は女性が多いですね。あまり見かけないと思います。

 クローンヤーオに付き物の楽器の方々。真剣に黙々とずっとこんな感じでした。渋いっす。