2010-06-03

ウボンへ

先日のバンコク情勢で気分も滅入ってましたが情勢は一旦落ち着いたようなので、今回は気分転換も兼ね5月28日マハーカブチャーの日から数日間、たぶん都会のことを忘れ落ち着いて過ごせそうなウボンの田舎に、またまた行ってきました。

今年はあまり練習もしてなくてちょっと鈍ってしまっているケーンの感覚を取り戻そうという訳で、もうすっかり顔馴染みのラムを歌うのが好きな村のおばちゃん達に会い、そして一緒にタラカーン郡で割と有名なモーラムを訪ねました。

モーラム・ニパットソーンさんのお宅を訪問。ご自宅はイサーン音楽教室も兼ねているのでポンランも有ります。さっそくお手合わせしてもらいましたがスッサネーンでのラムクローンはリズムも音の傾向もなかなか掴めず。十分ぐらい四苦八苦していたら徐々に掴めてきた感じ。と言っても完全に同期するのはまず無理ですが。こちらが躓いてもモーラムが気にせず淡々と続けてくれるのが助かりますね。

村のラム好きおばちゃん達も交互に歌います。やはりトァーイがモーケーン主導のリズムということもあって最も分かりやすいですね。ラムローンは何となく感覚で、内容が理解出来なくても話の切れ目が掴めれば良いか、とちょっと手抜きですが一応OK。

そんな感じで一時間ぐらいお相手してもらいました。総じて自分は相変わらずスッサネーンに問題が有りそう、というか普段練習相手が居なくてなかなか進歩しないんですが、と言い訳。

帰りはモーケーン・ンガン先生の郷土料理の店でおばちゃん達と食事。ンガン先生の吹くケーンがBGMです。ンガン先生に会うのは9ヶ月ぶり。せっかくなので今回もちょっと教えてもらいましたが相変わらず「息が正しく無い」との指摘。ちょっと、解決法が自分で理解出来ていないっぽい感じ…。

村に帰った後も、おばちゃん達と楽しくラム三昧の宴会でした、満足。

ところで滞在した場所の隣の村は鍛冶が主力産業。丁度ナイフを一本入手したかったので、その鍛冶の村を訪ねてみました。

 
この村はどこもかしこもこんな小さな鍛冶工場だらけ。子供達もハンマー打ちとかを手伝ってたりして、まさに鍛冶の村です。

これは鍛冶に使う炭を作る釜。田んぼや牧草地の中に点在しています。

こちらはずんずんと入っていった森の中にポツンと有るような鍛冶場。ずっとマスクしてるので最後まで職人の顔が見えなかったけど。この人達の鍛冶場では何でも注文通りに作ってくれるというので望みのナイフの注文をしました。

そして翌日出来上がったのがこのナイフ、全長60cm。小さめの包丁ぐらいで先が尖った刃と、脇に抱えるのに便利な長めの柄。ようするにケーン職人が使うようなのが欲しかった訳です。注文からたった一日、ほぼ想像通りの物が出来上がりました。ここの製品は村人の生活用品でもあるので価格もびっくりするほど安い。まぁ輸出用製品のような綺麗な作りではありませんが。これでイサーン式のナイフの使い方を練習してみたい、と思ってます。

おまけ: 村の風景。

以前にも日記に書いた竹職人のおじさん、たぶん腕は村で一番。見る度にビクとか籠とか、常に何かを作っています。写真右はナタで別のナタの柄を作っている所。柄にはめる金属の輪がぴったりと入らないとか言って不満そうでした。

村のモードゥーは祈祷師ですが、同時に占い師でもあります。しかし、なぜかタロットカード占い。祈祷の仕事が終わると、占って欲しい人達が次々と注文してきます。かなり良い収入になってるんじゃないでしょうか。

これはごく普通の田舎の食事。しかし普通のタケノコのスープだと思ったら、材料として丸っこい虫がいっぱい入ってました。自分は虫の食材はどうも苦手でして…。

自家製の酒、ラオ・サートーで三晩寝かしたもの。普通に美味しく飲めます。失敗するとまずくて飲めませんがこれは成功。粒々は材料のカオニャオ(もち米)です。

去年訪れた時とは違って今回はどの家にもきちんとした表札が有り、植木が飾られています。村の美化運動の一貫で競っているのだそうです。写真はスローガン(古い詩の一節)を書いた看板を家の前に飾っている所。

 
バイクで行商の食材売り。自給以外の食材はこんな行商から買ったりします。街までは何キロもあって毎日買い物に行ったりするのは面倒ですから。

お寺のベンチとテーブルは犬のたまり場になってました。

おもちゃのケーンを吹くのが好きな二歳児。こういう子供を見るとつい、物心ついたらケーンとか練習させたいなー、なんて思っちゃいますが、まぁ自分から好きでやる子供はそんなに居ませんね。

そんなわけで、都会で何が起こっていようと、いつ行っても全く変わらないように見える、今回はそんなウボンの田舎を4日間ほど堪能してバンコクに帰りました。