2007-02-19

ケーン楽団の儀式

マハサラカムのケーン楽団宿舎に戻ったら、坊さん達が来ていて儀式が始まった。

坊さんの説法が長時間続くが自分はほとんど理解できず。そのうち坊さんのお経の合間合間に、皆のお経の合唱が合いの手のように入る。お経はタイ人なら子供の頃から覚えさせられていて、「坊さんがこう唱えたら皆はこう唱える」という決まりを皆知っている。

外国人の自分は全く知らないので合わせようが無いが、一応口パクしておいた。

坊さん達が食事を取って帰ったら、今度はヒンドゥー教の神主(プラーム)がやって来て儀式を始める。タイの儀式では仏教とヒンドゥー教の両方の儀式が行われることが多い。こちらはイサーン地方ではおなじみのバーシースークワンと呼ばれる儀式。仏教儀式と違って合間に皆が入れる掛け声はイサーン語で、皆なんだか楽しそうに声を張り上げている。

プラームが唱える言葉の大半は普通のタイ中央語なのでかなり理解しやすい。ちょっと驚いたのは唱える言葉の抑揚が、まるでモーラムの語りのよう、というよりモーラムそのもののようだ。このことについて周りの人に聞いてみたところ、モーラムには説法から取り入れた内容が多くあるので、語りの抑揚はむしろこの説法の方が根源なのかもしれないと言っていた。

この儀式でしばしば披露されるのがバイシースークワンの歌と踊り。自分もケーンで参加させてもらう。

A先生が写真撮ってやるよと言うのでカメラを渡したら、確かに自分を撮ってくれたけど、なぜか楽団新入生の女の子の写真がいっぱい映っていた。まぁ、それも良いか。ちなみに踊っている3人の女性の真中はおかまさん。

全ての儀式が終わったら庭で宴会。昔楽団員であった先輩達が披露するモーラム・クローンを鑑賞。歌っている女性はすごく良い声で、てっきり職業モーラムかと思ったけど違うそうだ。考えてみるとこんなに近くでじっくりとモーラム・クローンが見れたのは初めてだと思う。そもそも普段見る機会はほとんど無いのだけど。

夜中1時ごろ眠くなったのでお先に就寝。

翌朝18日はピティ・ワイクルーの儀式。普段使う楽器を並べて過去の師匠達と精霊を祀る。

これで今回のケーン楽団での一通りの行事が終了。楽団では年一回、過去の団員から新入生まで集まってこのような儀式と宴会を行うのが習慣なのだそうだ。

帰り道、我々はロイエトでブアさんに修理してもらったケーンを受け取りバンコクへ向かった。

今回は普段あまり見る機会のない儀式が見れたし、ピンの産地を見るのも初めてだったので、なかなか良い旅行だっかと思う。

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