2008-07-26

ウボン旅行2 タラカーンのモーケーン

タラカーン到着後、地元で有名なモーケーンが経営するレストランがあると聞いたので、さっそく尋ねてみた。

店の名前『ラーン・ンガン・ンガン・ンガン』は直訳すると「カネ・カネ・カネの店」と酷い名前です。経営者の本名「ンガン」から付けた名前のようです。ンガンは本来はたぶん「銀」の意味ですが、「お金」の意味も有るので洒落でこんな店名を付けたんでしょう。

地元風のラープ・スックとゲーン・オーム。かなり苦味が利いている、田舎の味です。バンコクの飯屋でも知り合いのイサーン人が注文するとこういう苦味の強い味付けで出てくることがありますが、外人の自分が注文するとまずこういう味は出てきません。

普通に料理を注文して食べた後、「モーケーンに会いに来たんですが」というと、「6時に店閉めるからその時また来なさい」ということで、夕方ケーンを持ってまた行ってみた。

モーケーン・ンガン先生。この店の経営者ですが、職業モーケーンでもあります。ケーン・ダーラオ等の超有名モーラムの伴奏をしたことも有ったそうです。

まずは自分に吹いて聴かせろというので吹いてみせると、ある程度はできるということで、ウボンのケーンの旋律について実演しながら語ってくれました。それによると、ウボン特有の旋律はまずポーサイとティッスート。

ポーサイは左手の親指(上のド)を閉じるモードで、イサーンのどの地方にもあるんですが、常に一定の息で淡々とリズムを刻んで行くのがウボンのスタイル。旋律は非常に平坦(というか旋律が有るのかさえ微妙)ですが、難しいのは安定した息ですね。

ティッスートは「上のレ」をキースートで閉じるモード。断言は出来ませんが、自分の解釈では一般的なライ・ソイと同じだと思います。もともとライ・ソイは苦手なのでこれも難しそう。

スッサネンに関して、面白いのが「上のソとラ」を同時に閉じて音をぶつける手法。普通なら不協和音が鳴りっ放しじゃないかと思うんですが、これで大きな音を響かせるんですね。「より大きく響くが繊細さは無いので、こうするかどうかは、状況や使うケーンによる」とのことです。

そんなわけで、いきなりの訪問でしたが一時間ほど講義をしてもらいました。

で、4日後の19日もまた訪問してみました。挨拶程度のつもりで酒の小瓶を持っていったら、いろいろ料理を作ってくれちゃいました。恐縮です。


近所の人も混じってちょっとした宴会状態。

またいつか訪問するでしょう。それまでにウボン風のポーサイを身に付けておきたい。

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