2008-05-25

ビエンチャンにて

5月21日、再びビエンチャンに行ったので、またモーケーンに会いに国立図書館を尋ねました。

もう何度も来て訪問も慣れているので古文書保管室へ真っ直ぐ向かうと、室長のブンラートさんが昼寝してました。前回来たときも寝ていた気がする。隣の部屋の女性に起こしてもらった。

いつものように近況を話したりケーン吹いたりしてたんですが、今回は室長の本業である古文書の事をちょっと教えてもらいました。古文書の内容を全てデータ化するプロジェクトです。



写真は木の皮から作った紙で作られた大昔の本で、内容は暦や占星術の類だそうです。室長、「こんな紙だよ」と痛んで破れた表紙をむしって見せたりするもんで、「ちょ、文化財ちぎらないでw」、「サンプルいっぱいあるから平気」、みたいな感じでした。



これはお馴染みの古文書のバイラーン。写真のは薬の調合に関する文書だそうです。使われる文字のアクソン・タンマは自分の師匠や知り合いの演奏家は割と読み書きできるものです。ここではこういう古文書を記録する作業をしていて、データ化されると隣の印刷物のように形になります。これらを入力するのに便利なように、専用のキー配列まで作ったそうです。こういう経済に直接結びつかないような活動だと、やはり運営資金源は日本ではなく、ヨーロッパからの援助なのだそうです。日本はビエンチャンの道路や交通に大金を出していて街の至るところに日本の国旗があったりするんですが、この辺はちょっと残念ですね。



バイラーンは現在でも、お寺の坊さんの説法を記録したりするのに作られて居ます。実際に作るところを室長さんが実演してくれました。椰子や竹の紙に木の筆で文字を書きます(左)。書くときにインクは使わないのでよく見えませんが、文字を書いた部分は窪みができています。その後、粉を含んだ油でごしごし拭くと文字が現れます(右)。このときは自分の名刺をラオ語に訳してアクソン・タンマ文字で記述してくれました(笑)。百年以上は消えないはずなので、記念にとっておこうと思います。

そうこうしているうちにモーケーン・トーンソァーイ先生がやってきました。今回自分はタイからピープータイ(プータイ族の笛)を持って来ていて、それに関する話を聞こうと思っていました。ピープータイを吹く人はビエンチャンにもいるということで、夕方会わせてもらう約束をして自分は宿探しへ。



バイラーンを書き取るモーケーン・トーンソァーイ先生。仕事している所を初めて見た気がする。



そんなわけで夕方、会いに行きました。ピープータイを吹いている右のおじいちゃん、オーンターさんの家。やはりプータイ族の血筋なんですが、実はモーケーン・トーンソァーイ先生もプータイだそうで、考えてみるとタイのN先生とかその他の先生、天才モーケーン・レック君もそうだし、プータイの人が随分多いなぁと思いました。

しかしこちらのピープータイの旋律は、タイで我々がやっているのと随分違います。まず一緒に合わせるケーンの基調がライヤイじゃなくてスッサネンでとても意外でした。言わば曲調のマイナーとメジャーの違いのようなものです。ノリはホワノーンターンという有名な曲にかなり似ています。合わせてケーンを吹いてみると非常に理解しやすく、すぐに慣れてくる感じでした。

オーンターさんによると、「5日間程ここに練習に来なさい、全部身に付くよ」とのことなので、いつか友達も誘って合宿に来ても良いかな、と思っています。

2 comments:

Anonymous said...

読みました。 すごい面白かったです。

合宿なんて超魅惑的...

おかあつ

muri said...

おかあつさんこんにちは。バンコクで勉強会やりましょう。イサーン語ばりばりのおかあつさんが居ると心強いし。