2008-02-02

ピー・プータイを作る

翌日はロイエトのケーン職人ブアさん宅を訪問。

半年か1年おきぐらいに、もう何度も訪問してますが、ブアさんは相変わらずのようでした。今回は持っていったケーン5本ぐらいの調整と、バンコクの予約者の為に新たに注文した5本のケーンの受け取りです。

自分も数ヶ月前に注文して置いたものが出来ていたのでこのときに受け取りました。右写真の手前から5個目のちょっと長いのがそれで、キーEmスケールの特別仕様です。通常のAmスケール標準仕様よりは2音半低い、どちらかというとモーラム仕様ですね。丸く柔らかい音がしますが、やはり音が低い分だけ息を使うし、吹き方も変えなければいけません。慣れるのには時間が掛かりそうです。ケーン演奏法の基本である深く長く強さの安定した呼吸というのが大事になりますね。

この日はもう一つの目的はピー・プータイ(プータイ族の笛)の製作。これを専門に作る職人というのは居ないので自分達で作るわけですが、リードはケーンと同じ構造なのでケーン職人に入れてもらいます。自分達は指穴と調律穴を空けるだけなんですが、これが意外と難しい。

手順としては組になるケーン(一緒に演奏するケーン)に音が合う長さに竹を切り、リードを入れます。それから指穴がまだ空いてない状態、一個だけ指穴を開けた状態、と調律していきます。一番上の指穴まで終わったらその上に調律穴を開けてキースート(ヤニ)でビニール膜を貼ります。昔は玉葱の皮を使ったということなので再現してみましたが、うまくいかないので結局ビニール膜にしました。調律穴を作るとまた全体に音がずれるので、今度は指穴を全部塞いだ状態、一個開放した状態、と再び調整しなおしたら完成です。キースートで微調整出来ないほど穴を開けすぎたらもう全て失敗となります。この日はその失敗を繰り返して、夕方までかけて10本作って、成功したのは2本だけでした。失敗した材料の竹が、もったいないですね。

夜は出来上がったピー・プータイとケーンを持ってマハサラカム大学のケーン楽団宿舎へ行き、楽団メンバーと試奏。ここの人達はやはり皆ちゃんと吹けますね。自分はまだ吹けませんが、キーEmのケーンに合わせて作ったものを一本持ち帰ったので、これから練習して行くところです。

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