6日(土)、ベトナムから上陸した熱帯低気圧が北部や東北部に被害を与えているというニュースの最中、ピサヌローク県での民族音楽のフリーコンサートへ向かった。
バンコクを出発して約5時間、到着時もやはり雨。このピサヌロークでも中心地以外では洪水被害のニュースが流れていた。
雨が止んだ隙になんとかサウンドチェック。しかし、なんだかいろいろ疑問を感じてきた。大人数でジャムするのにステージが狭い。それにこんな天候状態なのにステージにテントが無い。客席も狭いんだから、全部テントで覆っちゃえば良いのに、なんて思った。
なんとかチェックを済ませたら宿泊ホテルにて司会のトッドさんの部屋で打ち合わせ。
今回の主題はタイ北部地方の音楽、イサーン地方の音楽、及び西洋音楽の競演。イサーン地方の代表的な楽器と言えばピン、ケーン、ピー・プータイ。これに対して北部ならスン、ソー、そしてピー・プータイと同じ構造だけど大きさが異なる笛(名前を聞き忘れた)。
スンはピンと同様、ギターのような構造だけど4本弦、このうち2本ずつを同じ音に調律するので実質は2弦のように扱う。フレットと弦高が非常に高いので持った感じはだいぶ違うようだ。
ソーはタイ中央楽器のソーと同じく2本弦だけど、タイ中央のソーが2本の弦の間に弓を通すのに対して北部のソーはどちらの弦も上から擦る。ボディーは椰子の殻で、弦はメタル弦のようだった。
写真の右の若者はこれら北部の楽器を全てこなすという天才。なんとまだ中学三年生。ピー・プータイと音合わせ中。ピープータイと違って調律用の穴は無いので他が合わせるしか無さそうだ。しかしFmのスケールでほぼ一致した。
この北部の笛のリードを見せてもらった(写真ピンボケですが)。リードの構造はピー・プータイと全く同じ、つまりケーンのリードと同じ。ただしサイズは倍ぐらいある。このリードがすっぽり収まるように咥えるわけだから口が大変。
夜7時半、雨が止んだので我々の出番で開演。ところがオープニングと歌一曲やったところで大雨が降りだして緊急避難。その後も雨は止まず、結局中止となった。やっぱりね、という感じだけど残念。
演奏中止で欲求不満気味の為もあってか、避難先のステージ裏の寺で約1時間ほどセッションした。写真に入っていないけど北部風の即興の語り手も加わって来て面白かった。北部風の語りは、これまた「ソー」と呼ばれるもので、丁度イサーン地方のモーラムに相当すると思ってよいそうだ。
この夜はホテルに宿泊。翌日バンコクへ向かった。翌日は嵐の後の晴天で、非常にもったいなかった。片道5時間も掛かるのに。
おまけ。写真は北部地方、特にピサヌロークの太鼓で「マンカラ (มังคละ)」と呼ばれるもの。右の小さいのを細いバチで叩くとテケテケテケと小気味良い音がする。ステージ前のブースで愛好会が展示実演をしていたもの。「マンカラ」はこの太鼓の事でもあり、これを使う楽団、その音楽のことも指す言葉でもあるらしい。なんとホテル内のコヨーテ・パブにもこの名前がついていた。
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