2007-10-02

ケーン用マイク

ケーン用のマイクについて思ったこと。

ケーンの本来の音は竹管全体が振動して出る音です。例えば初めて触るケーンで「ちゃんと鳴っているか」をチェックするなら、一音ずつ鳴らしたときに管の上の方を触って振動しているかどうかを見るのが効果的だと言われています。この長い竹管全体が振動して出る音ですから、聞き手にとっては少なくとも1メートル以上離れて聞く音が自然だと思います。マイク無しで演奏者の前で生音で聞いている場合なんかが最も自然な音を聞いているということになりますね。

スタジオならある程度離れた場所にマイクを置けば良いのですが、ステージだとこれが問題です。1メートルも離れたところに置いたマイクでは音が拾えませんからマイクスタンドの前に張り付くケースが最も多く、実際そういうのをよく目にしますが、これだとドローンの甲高い音がやたらと強調されちゃうことになります。ポンラン楽団の演奏を見ていてもピーピーとドローンの音ばかり聞こえることが良くありますね。これはもうしょうがないんですが、せめてちょっと斜めに構えたらピーピー音が軽減されると思います。環境が許すなら20cmぐらい離れて手の下の位置から音をとるように。ただし周りの音が大きすぎてこれだと拾えないこともありますけど。

マイクをケーンの前部に括りつけるケースも見ますがこれも同様というか、更に酷いと思います。ライヤイでもライノイでも、一番前方のドローン管に密着しているわけだから当然ですよね。

ステージではマイクを脇に挟む人もたまに見ます。これはマイク密着よりはまだ良いんじゃないかと思いますが、脇に物を挟んでる状態は演奏しにくいでしょうね。モーラムとステージを歩き回りながら、モーケーンが時々喋ったりするケースではよく見るケースですが。

一方ラムクローン等で最もよく見るのが、ケーンの底にマイクを仕込んだケースを装着する方法です。竹管の底の穴から出る音というのは実際のところ自然な音とはかけ離れた、かなり篭った音で、正直言うと悪いんですが、うるさいステージでも確実に音が拾えるし、ドローンに偏ったピーピー音も無いのでこの方法が定着しているようです。

自分が最近使っているのもやはりこの底に装着するタイプですが、そんな製品が有るわけでは無いのでお手製です。

コンビニで6Bぐらいで売っている最も安い飲料水のボトル、特にこの最も安い水ボトルが柔らかくて良いようです。適当に切って下にマイク挿入用の穴を開けます。綺麗な穴が開けられなくても、穴にボトルの飲み口をはめ込むと綺麗ですね。そして中心に真鍮か何かの棒を突き刺すと、これが丁度ケーンの竹管の間にうまく嵌るようになります。手軽ですね、10分でできますし。これに管楽器用ミニマイクを装着します。写真のマイクは有名なAKGの管楽器用コンデンサマイク。近所に住む元職業ドラマーのK氏にお願いして日本で買ってきてもらったものです。

装着するとこんな感じ。真鍮の棒のがケーンを束ねている内側の竹に当たるのでマイクを潰す心配は有りません。抜ける落ちるのが心配な時は装着した後、上側にもう一本棒を差すと固定されます。

見た目がちょっとナニですね、色でも塗った方が良いでしょうか。それはともかく音はもうちょっと工夫が必要なようです。容器内での反響がいけないとしたらスポンジでも入れたほうが良いのか、それとも空気が抜けるように穴を開けたほうがよいのか、とかいろいろ有りますが、その辺の知識が無いのでまだ未対策です。

2 comments:

Anonymous said...

以前、muriさんにお会いした時にも話題に上った、ケーンのアンプリファイド化ですね。

ブルース・ハープが生き残り、新たなパワーを産んだのはこのアンプリファイド化があったからだと思いますが、ケーンを前世紀の遺物にしない為にも、コレは必要な事かとも思います。

この場合、ハウリングの問題は起きませんか?

muri said...

そうですね、でもまだいろいろと工夫が必要なようです。
密閉されているせいか、ハウリングはほとんど起きないようです。
音が篭ってるせいか、ついついボリュームを上げすぎちゃうことが・・・。