以前イサーン楽器の先生に聞いた、ラムの伴奏に必要な知識は以下のような事柄。
- 構造を知る。
- リズムに追いつき、リズムの切れ目がどの音か知る。
- 詩の意味内容を知る。
- 旋律を知り、モーケーンも歌えなければいけない。
リズムの切れ目は、つまり歌い手が息を吸う手前のリズムが落ちる瞬間。このときケーンは和音を入れるけど、歌と合わないといけない。これは歌い手次第なので、練習相手を見つけてから徐々に知るしかないかもしれない。リズムに追いつくのは、それが分かった上で練習するのみ、ということか。
そして「意味内容を知る」が超難関。ラムの内容はイサーン語やラオ語だし、モーラムだけで使われる語(パーサー・モーラム)も多く、普通のタイ人が聞いても理解できない単語も多い。
最後の「自分も歌えること」も難関。ラムの旋律は言葉の抑揚によって生れる、というほどに言葉と密接な関係がある。言葉を理解せず旋律だけで覚えるのはまず無理と最近分かった(今ごろ)。
そんなわけでまず内容理解のとっかかりとして、即興ものは避けてしっかり構成されて分かりやすそうなポンラン楽団とモーラムによるラムプーン(ลำพื้น)の一曲の理解を試みた。この歌は8月12日の母の日(王妃の誕生日)を歌ったもので、ラムとケーンの伴奏では無いけれど自分の周りの先生達やその弟子の間に非常に流行っているもの。自分で書き取るのは能力的に厳しいので、まずはbaanmahaの試聴掲示板にポストしたら、これを見てこの歌を気に入った人が内容を書き取ってくれた。これは詩の内容理解にかなり役立った。
これを元に、人に聞きながら間違いを直しつつ、リズムに区切って表にしてみたのが以下のもの。
- ลำพื้น (正しく表示するにはFirefoxとNiramitフォントが必要)。
そして試しに身近の音痴なタイ人に見せて同じようにやってもらって見た所、リズム枠の通りに歌えば一致するのでやはり正確なリズムで歌えた。もともと旋律は言葉の抑揚に沿って上下している為、これだけで音の上下とリズムは把握できる(この人、音痴なので音程は正確ではないけれど)。そんなわけで、この試みは収穫が有った思う。
ところでこのように歌詞をリズムに区切って見ると、西洋音楽で言う拍子の一拍目が枠の最後に来るようにすれば、単語のほとんどが綺麗に枠の中に収まるようになる。もしかしてタイ式楽譜の一拍目が枠の最後にあるのもこういう理由なのかな?と思った。参考: タイ式楽譜の読み方。
1 comment:
こちらの記事を紹介させていただきました。
http://www.ajisai.sakura.ne.jp/~tabi/rink/05tiiki-touhoku.htm
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