2006-10-21

スリンにて、カントゥルム

この日はポンラン楽団とダンサーその他、50人もの大所帯がツーアバス2台でスリン県へ向かう。目的はスリンのお寺でのタンブンと地元の楽団との競演、あと遠足。

今回もN先生が同行したので、行きのバスの中でプータイの伴奏方法を習う。プータイとはタイの一民族名であると共にその民族の歌の名前でもあり、いろんな演奏スタイルがある。例えばケーンの独奏、ポンラン楽団用にアレンジされたスタイル、ピーイサーンという笛がメインで合奏するスタイル、など。

今回はピーイサーンの主旋律に合わせたケーンでの伴奏を教えてもらった。現代のポンラン用アレンジとは全然違う古いスタイル。これはもう別物と言ってもよいかもしれない。

行きのバスで何時間もやってたのでかなり覚えたと思う。おかげで同じバスの人は寝られなかったと思うけど、楽団の旅行なら普通のことなので気にしない。

夕方スリンのお寺に到着してさっそく儀式。坊さん達に祝福をもらう。

地元の楽団が儀式用の音楽を演奏。この地方の音楽はカントゥルムと呼ばれるもので、ソー・カメーンと呼ばれるカンボジア風の弓で弦を引く楽器が特徴。これに太鼓とチンチャップのリズムで歌が加わる。カントゥルムはタイでは結構メジャーなジャンルで、その旋律がポンラン楽団用にアレンジされたものも多い。

儀式の後は寺の境内のステージで、我々のポンラン楽団と交互に演奏。

カントゥルムのパフォーマンスでは、舞踊以外にもいろんなストーリーのある演技が見られる。闘鶏を模して演技者同志が強くぶつかり合うという風変わりなものもあった。カンボジア国境近くの土地なので総じてクメール文化の影響が強い。歌もカンボジアの言葉が多く、タイ中部の人のみならずイサーン人でもほとんど理解出来ないそうだ。

本場のカントゥルムを見るのは今回が初めてで、なかなか興味深かった。ソー・カメーンの旋律は一度聞くとかなり耳に残る。夜11時ぐらいまで演奏した後、我々はホテルへ向かった。

動画各30秒1.3MB
追記: 片仮名の表記をカントゥルムに修正した。タイ語では กันตรึม

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