文化センターでこの半年間、ケーンの練習に励んできた日本人Jさんの発案により、マハサラカム大学で合宿を行う事になりました。この時丁度タイに旅行に来ていた日本人の口琴演奏家の「倍音ケイイチ」氏の興味も引き、今回一緒に参加する事になりました。
5月7日(木)夜、モーチットのバス・ステーションに集合した我々3人は、「食う、寝る、トイレ以外は練習し続ける」と、ビール飲みながら誓い、マハサラカム県に向けて出発。翌朝にはマハサラカム大学芸術学部に到着です。
今回の我々の合宿には、マハサラカム音大で教鞭をとるアーチャー先生の全面協力を頂き、講義室と宿泊所を提供して頂けました。きっとJさんの熱意に打たれたのでしょう?
熱意満々の我々は休憩もそこそこに、到着日の朝から練習。個々の参加者の目的はばらばらで、倍音ケイイチ氏はきちんとケーンを習うのは初めて、Jさんは練習暦半年でのステップアップ、自分はラムクローン伴奏の初歩を、といった感じですが、今回これら全てをアーチャー先生に面倒を見て頂きました。
倍音ケイイチ氏はパフォーマー暦が長いことも有って飲み込みが早いです。ケーンは最初にドレミを覚えるところでいきなり大変だったりするんですが、初めてとは思えない早さでこなして最初の曲の旋律も覚えてしまいました。さすがですね。
倍音ケイイチ氏の口琴コレクションにものすごく興味を示すアーチャー先生。
一方、Jさんは文化センターにこの半年間来ていたので、ポンラン楽団の曲については自分が助言させて頂いて来ましたが、今回はアーチャー先生から本格的にラーイ・ヤイ(低いマイナー調のモード)の訓練を受けました。ラーイケーン(ケーン独自の旋律)を覚えること自体がまず、普通の歌を覚えるのと違ってかなり苦しいことですが、これを一つ超えると大きな達成感が有るんじゃないでしょうか。
アーチャー先生の訓練を受けるJさん。
自分の今回の目的はラムクローン伴奏ですが、ちゃんと訓練を受けるのはこれが始めて。合宿を通じて練習できたのは一曲だけ。想像通りの難しさでヒーヒー言わせて頂きました。
ラムの構造はその土地や歌い手ごとに多様なんですが、その歌い手独自の構造を知っていても、ラムの進行を掴むには歌い手の発する信号(合図となる言葉)をキャッチして即座に対応しなければならないわけでして、リズムを刻んでいる時に送られてくる信号を逃すと一気に通り過ぎてしまって形を成さなくなってしまうわけです。
自分はどうやら集中力が切れて雑念がよぎった瞬間に信号を取りこぼすことが多いようで、延々と何度もやり直しました。最後には少々慣れてきましたが、今回覚えたものが、無数にあるスタイルのただ一つだけなんだと思うと先が思いやられます。
そんなわけで合宿初日は朝から夕方までみっちり練習で、異常に長く感じた一日でした。食事と練習の繰返しなので、学食には一日で飽きましたね。
校舎の四階でくつろぐ猫の親子。
(続く)
2 comments:
ううむ~
ラム道は深く険しいようですが、
峰峯に絶景が待ち受けているような
気がします。
私も一二曲、覚えようと密かに画策中
ってピィーが笑う~かもですが(笑)
そう言えば、ビエンチャンで盲目のモーケン(サバナケット)についての短編映画見ました。どうも両岸地域はこれから通わねば
ならないような予感。
そですね、良いんじゃないでしょうか。一つだけでも覚えると、とても理解が深まると思います。
Post a Comment