そして現在楽団が舞台で実際に演奏する時には基本的にはいくつかの曲と舞踊とが組み合わされた形になるんですが、それらのほとんどは、様式や大まかな構成まで決まっているもので、言わばポンラン・スタンダード・セットと言った感じのものです。例えば「プータイ3種族」とか、「ソァーン・ポンラン」とか。こちらの方は誰が構成したのかとかが分っている物が多いようです。作者のほとんどはナータシン(民族芸能学校)の監督や音楽家のようですね。
使われる楽器自体の基本は構造が単純な分、基本は習得しやすいと思います。ほとんど全音階しか無いですし、ピンなんかギターが弾ける人なら10分で慣れちゃうでしょう。厄介なのはそのスタンダード曲やセットの構成を覚える事なんじゃないかと思います。
この辺は、子供達の練習方としては、ひたすら「聞いて、やって、慣れる」ですね。何年かやってれば皆うまくなります。一方大人になってからやり始める場合は、やはり楽譜に頼るのが良いということで、今まで自分がやった物、主にポンラン・スタンダード曲やセットはほとんどタイ式楽譜で書き溜めておきました。
それで今回はそのタイ式楽譜をウェブ・アプリケーションにしてみました。
scorethai
Google App Engine (GAE) というサービスを使っています。GAEは自前のサーバを持たなくても自由にウェブアプリが書けるものです。まぁ無料な分、いろいろ制限もあるんですが。あとウェブアプリを書くのが初めてでして、いろいろ手抜きもありますが、その辺は徐々に直して行こうかと思います。
あと、変な検索機能も付けてみました。
曲名に「โปง」(ポンランのポンの部分)、音の並びに「ลดรมรด」(ラドレミレド)、カテゴリーに「ponglang」(今はこれしか有りません)、で検索すると。
該当する曲と一致する部分を強調したリストが出ます。音の並びは、重複しない音の並びが対象です。
一応 googleアカウントでログインすれば誰でも楽譜を追加できるようになっていますが、マイナー分野すぎてそういう人はほとんど居ないですかね。もう一つの問題は、タイ人の音楽仲間にPCを使う人がほとんど居ないことですねぇ(笑)。
9 comments:
どうもです。
クローンヤオとかも定番なんですかね?
うむむ、そんな訳で(どんな?笑)
ぜひロイエットのナタシンに行きましょう!
80年代末、イサーン音楽の体系化の中心地でありました。
勿論今も尚、と思います。
どうもです。クローンヤオはイサーン太鼓の代表ですね。ポンラン楽団ではメインの打楽器ですし、大勢でクローンヤオを叩くヲン・クローンヤオなんていう習慣もありますし。
そうですね、ナータシン学校もぜひ訪問してみたいと思います。
でも、中~北部のルクトゥン系の古めの人も
みんな大体クロンヤオがレパートリーですよね?タイ族共通の伝統楽器?
あぁそうですね、北部でもよく使いますね。タイ人に言わせると、元々はビルマ(パマー)から伝わったと考える人が多いようですが、特徴と言っても胴が長くて片側にだけ皮が張ってあるというだけですから、どこにでもありそうではあります。
自分の印象としては、北部のは胴がキュッと細くなっていて軽い。対してイサーン風のはずん胴でやたら重い、という違いが有る気がします。まるですらっとした北部美人と骨太のイサーン女性の違いのような(というのは余計か)。
それと、村人総出で30人とかで叩く習慣が有るのはやはりイサーン地方特有かな?とも思います。
中部のタイ伝統音楽では、クメール風でしょうか?両面に皮を張ったものの方が多く見かける気がします。クローンクーとかケーク(インド人の)とか呼ぶやつでしょうか。
ちゃんと調べたわけじゃないので無いので印象話ばかりですいません。間違ってたら訂正お願いします。
ほう~さすが近くで目にしているだけあって、っていうか私は楽器に関してはムチモウマイなので
・・今度行って実物見せてもらおうかしら?
>>村人総出で30人とかで叩く習慣
そういえば最近ラオスで買ったモーラムVCDのジャケ写にも団体クロンヤオの写真見かけました。
こんにちは!
ケーンの音楽を別の楽器(コンサーティーナ)でやろうと思い、「タイ式楽譜の読み方」を参考にC,D.E,F,Gという表記に置き換えてるのですが、読み方がわからない所が幾つかあるので良かったら教えて下さい
下線が引かれた所
()や{}で囲まれている所
~や.や=の記号
字の大きいものと小さいものの違い
お手数ですがもしよければよろしくお願いします!
concerinaさん、珍しい楽器ですね。
まずケーン独奏の場合は元の録音と突き合せないと、タイ式楽譜だけではほとんど理解不能だと思います。どうもすいません。
ポンラン楽団のジャンルなら単純メロディーが多いのとyoutubeの検索等でサンプルが見つかるケースが多いので容易だと思います。
タイ式楽譜の大まかな読み方は
http://muri.tri6.net/thai/khaen/score-thai.html
を見て頂きたいです。
{}や[]は主に繰り返し範囲を示しています。
他は明確にルール無しに適当に使っているんですが、()は主に楽器の掛け合いで、例えばピンだけがそれを弾くとか。歌がある場合はバックの楽器だけの部分とかに使っています。
~はトレモロみたいな表現です。
=は「直前の小節と同じ」とかです。
字の大きいのと小さいのは、ケーンは基本オクターブ上下で音を出すので大きな字はそれを示していて、小さい字は単音を示しています。
なるほど、ありがとうございます
HPも参考にさせて頂いています!
もう一つお願いしてもいいでしょうか?
HPの方でラーイ(モード)があり、モードにより異なるドローンを用いると書かれてましたが、モードの判別法というものはあるのでしょうか?
↓のような楽譜を置いてるHPがあったのですが、どうも曲のモードがわからなくて…
http://www.laoheritagefoundation.org/music/
concertinaさん、
そうですね、自分のページのラーイはケーンの演奏モードの事なので、メロディー表記だけでは分かりません。実際どう演奏しているかを聞くしか無いです。
ただ西洋楽器でラオのメロディーを演奏するなら、その楽器の演奏法で良い気もしますが…。
Post a Comment