2007-05-15

プータイ語

プータイ語に関する記述を抜粋メモ(最近プータイに凝っているので)。

サコンナコンのプータイ語に関するこちらのページ ผู้ไท では、プータイ語はラオ語とタイ中部語が訛って変化した言語として解説している。

タイ語とプータイ語の対応規則があったので、以下に表にしておく。声調においてタイ中部語と一致しない面も多く、タイ語の書き言葉で説明することはできないが、これらは部分的に説明できそうな原則。


変化(タイ語⇒プータイ語)例(タイ語 - プータイ語)
母音の対応母音 เ-ีย ⇒ เ- (ia ⇒ ee)เมีย - เม / เขียน - เขน / เขียด - เคด
母音 เ-ือ ⇒ เ-อ (ɯa ⇒ əə)เสื่อ - เสอ / เลือด - เลิด / เมือง - เมิง
母音 -ัว ⇒ โอ (ua ⇒ oo)ผัว - โผ / ด่วน - โดน / สวน - โสน
一部の語において
母音 ไ, ใ, -ัย ⇒ เ-อ (ai ⇒ əə)
ใต้ - เต้อ (一声と二声の中間に訛る)
ใส่ - เชอ
ให้ 「(物を)あげる」 - เห้อ (訛る)
ใหม่ - เมอ
一部の語において
母音 -ึ ⇒ เ-อ (ɯ ⇒ əə)
ลึก - เล็ก / ผึ้ง - เผิ่ง (訛る)
子音の対応一部の語において
子音 ข ⇒ ห (kh ⇒ h)
เขียง - เหง / ขาย - หาย / ของเขา - หองเหา / เขา (動物の角) - เหา
子音 ร ⇒ ฮ (r ⇒ h)เรือ - เฮือ / เรือน - เฮือน / รอย - ฮอย / ร้อง - ฮ้อง / รีบ - ฮีบ
末子音の変化一部の語において
末子音 -ก ⇒ 消失して短母音に。
แตก - แต้ะ / แบก - แบ้ะ / ผูก - พุ / สาก - ซะ / ปาก - ป้ะ

"一部の語"となっているのは、例外もあるという意味。例えば ไก่ は เกอ とはならず ไก だが第一声が少し訛ったものとなる。

以下はタイ語起源では無い語の例(タイ語 - プータイ語)
  • สิ่งของหาย - เฮ้
  • หายเจ็บหายไข้ - ดี๋เจ็บดี๋ไข้
  • ท้ายทอย - กะด้น
  • ผิดไข้ - มึไข้
  • ไปไหน - ไป๋ซิเลอ
  • ผู้ใด,ใคร - เพอ
  • อยากกินข้าว - เยอะกิ๋นข้าว

バンコクのタイ語との比較では、一致する語が36.73%、似ている語が36.05%というデータがあるそうだ。
非常に似ている語の例
ไก่ - ไก / ตา - ต๋า / นิ้วกลาง - นิ้วกาง / ปืน - ปื้น
やや似ている語
ปาก - ปะ / เสื้อ - เชอ
少しだけ似ている語
แขน - แหน / ขา - หา / บันได - คันได๋ / บวบ - มะโบ้บ
はっきりと異なる語 27.21% の例
มะละกอ - มะฮุง / ฟักทอง - มะจู้บ / ส้มโอ - มะเก๊ง / พระ - ญาคู / เณร - โจ๋น้อย / ช้อน - โบง / ทำ - เอ๊ด
同じか似ている語を合わせると72.78%となることから、プータイ語とバンコクのタイ語はやはり同系統の言語と見なされる。

上記の例のうち非常に異なる語の「พระ(僧侶)」や「เณร(少年僧)」等の呼称については、仏教をまだそれほど受け入れていなかった頃、各グループで呼称が異なったことによると考えられている。

野菜や果物の呼称が大きく異なるのも同様で、かつてタイ人が皆近くの土地に暮らしていたころは、パパイヤ、かぼちゃ、サボン(ส้มโอ)のこれら三種の植物はまだ無く、各民族が各地に散らばって行った後に入ってきたと考えられる。

ところでプータイ語とイサーン語との比較では、同じ語が37.67%、似ている語が52.14%で合わせて89.81%となり、これはもう疑うことなくプータイ語とイサーン語が同じ系統であるだけでなく、かつては同地域に住んでいて、ラオ族がルアンプラバーンからヴィエンチャンやサコンナコンのメコン川流域に南下してきたころに散らばって行ったのだと考えられている。シップソーンヂュタイの地域には今でも居住しているプータイ族のグループも有り、彼等はラオ語に依存している為、言語は非常に似たものとなっている。

この他タイダム語との比較では、やはり同属の言語で200年以上前に分岐したと考えられている。

その他のソース

タイ版Wikipediaの記述 ภาษาผู้ไท では、プータイ語はタイダム語から派生したものと位置付けている。

イサーン音楽のサンプルがいっぱい聴ける baanmaha のフォーラムにはプータイ語に関するボードも有って、投稿数は少ないけど歌詞の意味を質問しあったりしている(このトピックとか)。

そもそも標準イサーン語をもっと勉強するべきだけど、この辺の話もそのうち役立つかも。

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