ウォートって、イサーンの竹笛です。
竹の切り口に息を吹きかけて音を出す、単純な構造の楽器です。平たい形なら南米とか世界中に有りますが、イサーンのは丸くてクルクル回して吹きます。うまい構造だと思いますよ。
イサーン楽器は単純なドレミの音階しか持たない物がほとんどですが、その中でも特に単純なウォート。最もよく使われるタイプはドレミソラの6音で約2オクターブ、計12本程度の竹管でできています。
イサーン音楽のウォートのメロディーとしては大体それで事足りるんですが、極たまにファやシの音も欲しい事も有るし、キーが変わったら対処しようが無いので、結局は種類を増やして対応するしか有りません。そうすると所持するウォートの数が増えちゃうわけですが、滅多に使わない種類の物とかを寝かして保存して置くのも気持ち悪い。
ウォートはケーンと同じヤニ(キースート)を詰め込んで調音して有るので、横向きや逆さの状態で保管していてヤニが溶け出したりすると音が狂うし、竹管の内側に付いたヤニの処理が非常に面倒な事になります。
そういうわけで、立てて保管したいというわけで、今回はウォート・スタンドを作ってみました。 材料は水牛の革3m厚。
スタンドの柱部分。楽器全体より高くしたいので結構長いです。
輪っかパーツに楽器を差し込むようにしました。
下は小さな輪っかに刺して支える事に。
輪っかのパーツは薄くしないと曲げにくいので半分の厚さにしました。
ちゃんと研いだ包丁でないとスパっといかないですね。研ぎ方正しいのかどうか未だに分からないんですが、うまく切れた時はちゃんと研げたという事にして…。
日本式の革包丁が使いやすい感じですがこちらでは入手が面倒なので、同じような形を真似してウボンの村の鍛冶屋さんに作ってもらいました。さすがに性能は日本製には全く及ばないようですが、それ以前に研ぎ方もまだ怪しい程度ですから…。
ところでなんでナイフじゃなくて包丁と呼ぶんでしょうか。日本式のが昔から有ったからでしょうかね?
輪っかパーツは取り外してメンテできるような構造にしてみました。柱はすくい縫いのクロス・ステッチとかいう方法で…。
後で考えたら普通のすくい縫いにすれば良かった。その方が輪っかパーツ着脱時に縫い目が邪魔にならないですね。
柱を支える土台となる部分を縫いつけます。
縫ってから更に底を貼り付けちゃうって…、これ後で直そうと思っても直しようが無いじゃないですか。バカですねw。
と、もうどうしょもないのでそのまま進めます。
底にもう一枚貼って厚さ6mmの土台にして外周を縫いつけ。長いので半分眠りながら、みたいな。
できました。
頭の取っ手部分だけ倒せるように、金具を使いました。真ん中にも一本立てるようにすれば良かったかも、もう遅いですが。
ウォート6本をセットしてみます。大小いろんなサイズが有りますが、なんとか全部収まりました。 ちょっと柱が歪んでるかも、中身は空っぽなので。
下から見上げると、そそり立つ感じ。
ウォート・タワー、みたいなw。
作った物は単純な物なのに、いろいろ試してボツになったパーツ達が幾つか…。