2008-12-29

ラートプラーオ101にて

12月27日(土)はラートプラーオ・ソイ101の市場での宴会に参加。

ラートプラーオ101と言えばいわゆるイサーンの田舎から来た出稼ぎ者達が多く住む場所として有名で、「サオ・ラートプラオ」の愛称で知られるルークトゥン・モーラムのヒット曲の歌詞にも出てきたりする一種の名所なんですが、自分の知り合いも何人か住んでたりして結構馴染みがあります。

ここに新たに市場が開かれるということでその宴会の為の催し物のようです。写真は今回の楽団リーダーのN先生。見た通り、飾りも看板さえも無い舞台です。要するにただの宴会場でして、我々は言わば宴会バンドの役割のようです。

客席もこんな感じ。味も素っ気もありません。 一応ポンランが有って舞踊チーム付きですが、内容は歌謡曲がほとんどで時々ポンラン楽団になるという感じ。自分が客ならあまり興味を引かないから「10分見て帰るか素通りする」と言った感じです(笑)。この辺、最初に見分けられる特徴としては、舞台にドラムセットが有ってクローンヤーオ(胴長太鼓)が用意してない所、とかでしょうか。こういう場合は風土音楽度がぐっと下がると思います。

途中なんか出てきました。いわゆるコヨーテですね。腰のくねくね度が凄いです。そのままケーンを持たせても様になりそうな程です。どの人も普通にセクシーな女性だと自分は思ってたんですが、後で聞いたら実は全員おかまさんだそうで、いやーびっくりしました。この日はこのコヨーテ軍団に二度ほど舞台を占領されました。見物人が舞台前にかぶりついて写真を撮ってるところなんか、世界共通の現象でしょうか。


舞台裏の宴会場。こういう催しは大体長時間になります。客席からの飛び入り歌手とかが次から次へと出てきてなかなか終わりません。終わろうとすると「やめるなー」と怒られたりして。でもまぁ気軽だし(適当とも言う)、自分達も飲み食いできて良いんですけどね。この日はちょっと食べ過ぎましたが。

おまけ: コヨーテのアップ。

自分には女性にしか見えませんでしたが、おかまさんだそうです。いやー、たいしたもんですね(何が)。

2008-12-22

ポンランの楽譜

ポンラン楽団でよく演奏される曲というのが有りまして、それらはそれぞれの土地で発生した歌や楽器の旋律が元になっていて、曲のほとんどは作者不詳だったりするんですが、言わばポンラン・スタンダード曲というものです。例えば「ラーイポンラン」とか、「トァーイコーン」とかのそれぞれの曲です。

そして現在楽団が舞台で実際に演奏する時には基本的にはいくつかの曲と舞踊とが組み合わされた形になるんですが、それらのほとんどは、様式や大まかな構成まで決まっているもので、言わばポンラン・スタンダード・セットと言った感じのものです。例えば「プータイ3種族」とか、「ソァーン・ポンラン」とか。こちらの方は誰が構成したのかとかが分っている物が多いようです。作者のほとんどはナータシン(民族芸能学校)の監督や音楽家のようですね。

使われる楽器自体の基本は構造が単純な分、基本は習得しやすいと思います。ほとんど全音階しか無いですし、ピンなんかギターが弾ける人なら10分で慣れちゃうでしょう。厄介なのはそのスタンダード曲やセットの構成を覚える事なんじゃないかと思います。

この辺は、子供達の練習方としては、ひたすら「聞いて、やって、慣れる」ですね。何年かやってれば皆うまくなります。一方大人になってからやり始める場合は、やはり楽譜に頼るのが良いということで、今まで自分がやった物、主にポンラン・スタンダード曲やセットはほとんどタイ式楽譜で書き溜めておきました。

それで今回はそのタイ式楽譜をウェブ・アプリケーションにしてみました。

scorethai

Google App Engine (GAE) というサービスを使っています。GAEは自前のサーバを持たなくても自由にウェブアプリが書けるものです。まぁ無料な分、いろいろ制限もあるんですが。あとウェブアプリを書くのが初めてでして、いろいろ手抜きもありますが、その辺は徐々に直して行こうかと思います。

あと、変な検索機能も付けてみました。

曲名に「โปง」(ポンランのポンの部分)、音の並びに「ลดรมรด」(ラドレミレド)、カテゴリーに「ponglang」(今はこれしか有りません)、で検索すると。
 
該当する曲と一致する部分を強調したリストが出ます。音の並びは、重複しない音の並びが対象です。

一応 googleアカウントでログインすれば誰でも楽譜を追加できるようになっていますが、マイナー分野すぎてそういう人はほとんど居ないですかね。もう一つの問題は、タイ人の音楽仲間にPCを使う人がほとんど居ないことですねぇ(笑)。

2008-12-06

国王誕生日

12月5日(金)は国王の誕生日という事で全国各地で催し物が行われていますが、もちろん文化センターでも行われました。

午前中、大ホールに到着した時はクラシック音楽をやってました。このホール、日本の援助で建てた物だと聞いていますが、あらためて見ると結構大きいですね。

午後は本日のメインであるラーマキエン劇(コーン)を舞台横から見学。タイの子供は国語の教科書で習うので、誰が何の役か見てすぐ判るようです。自分はちゃんと読んだ事も無いので説明されないと分りません。説明されても難しいんですが。隣にいた高校生の説明によると、写真は神々の召使として日頃苛められていた鬼が、指差しただけで相手をぶっ殺す神通力を得て神々に復讐する一節だと言ってましたが、ほんとうかな?

舞台横には仮面を奉った一室が有りました。ちょっと晒し首みたいで怖いですが、ワイクルーのお祈り用ですね。ラーマキエン劇はタイでは非常に重要なものとされてるようです。

一方子供楽団の楽屋は幼稚園状態でした。長時間待つといつもこのようになります。

ラーマキエンの衣装の一例。モデルは一応ポンランもやってる女子高生ですが、ちょっと顔が大きいので何だかひょうきんに見えます。

その後、舞台横で出番待ちをしていますが劇がなかなか終わらない。子供は台車で遊び始めました。収拾がつきません。

出番待ちのダンサーは、カメラを向けると反射的に微笑む所がさすがですね。舞台用メイクが濃いので、コンパクトカメラのフラッシュが反射して顔だけ浮き上がるようです。

やっと舞台に上がりました。しかし楽団用のスペースはステージ前の隅っこの一角で、これがものすごく狭い。ここにタイ式とイサーン式の2楽団が入っているのでかなり窮屈というか、ぎゅうぎゅうで座れません。

そんなわけで押し合いへし合いで舞台がよく見えないんですが、隙間からちょっとだけ見えました、このぐらい。

結局我々の演奏はバンファイとタイプーカオの2セットだけでした。

この日配られた記念品の本とCD。内容は全て、王室がその振興に力を注いだ伝統芸能や音楽に関する物ばかりです。この歌の本にはタイ語の歌を各地方毎の言葉に翻訳した物が有ったりするところが興味深いですね。後日読んでみようと思います。

2008-12-04

パトゥムタニー県にて

12月3日(水)、子供楽団はパトゥムタニー県での行事に参加。二日後の国王の誕生日の関連行事のようです。

バンコク近県なので夕方4時に機材を積んだピックアップで出発、5時過ぎにはクローンルアン郡の現地に到着。近県とは言え、だいぶ田舎ですね。

見渡す限り田んぼ地帯の中、広大な敷地に何故か巨大な図書館やらホールやらが立っています。写真左はその図書館。写真を取ろうとしたらバスから警官がうじゃうじゃと下りてきたので警官がいっぱい写っちゃいました。この日の警備に来たようです。右はスプリーム・アーティスト・ホール(ホー・アッカラ・シンラピン)。

そのアーチストホールの横に設けられた野外ステージ。国王誕生日の関連行事ということで、ステージには国王の写真と祭壇が設置してあります。

夜、催し物開始前に出演者全員で国王を称える儀式。ローソクを持って国王を称える文句を言ったり国王賛歌を歌ったりします。タイではどこでもお馴染みの光景ですね。

この日は意外と超有名な歌手がいっぱい出てきました。そもそもこの行事は王室からシンラピンヘンチャートの称号を受けた歌手達が国王を称える儀式、という趣向だったようで、我々子供楽団はその合間の余興だったようです。それでも4セット程演奏、ちょっとメンバーが少なくてしょぼかったかな。

出番が終わり、せっかくなので鑑賞。写真はシンラピンヘンチャートの歌手、トッサポンさんとそのコンビの人(名前忘れた)。このコンビ、TVではよく見ますが、いやーさすがに良い声ですね。堪能しました。といっても歌の内容はあまり分らないけど。いわゆるラムタットの系統でしょうか、物語を語るような感じで掛け合いで延々と歌う物です。

子供楽団のダンサーとポンラン担当の子。真中の太った子が現在メインでポンランを叩いてます。

5日の国王誕生日当日は文化センターで大々的にやるようですが、メインはラーマキエンで我々はたった1セットだけだとか。