20日(日)はバンコクのSETTradeへコンテスト見学。
SETTradeとはつまりタイ国の証券取引所で、そこがスポンサーの学生の為の音楽コンテスト。その最終審査演奏会でN先生の後輩であり天才モーケーンであるLek君が独奏をやるということで今回は見学と応援に行ったわけです。しかしこれがなんとも不思議な形式で、まったくばらばらな各音楽ジャンルから選ばれた奏者10人が一堂に会して演奏を競い合うということで、ピアノやバイオリン等の西洋楽器の独奏が有れば、ラナートやコーンヲン等のタイ楽器も有るし、ケーンはイサーン楽器だし、果てはソプラノ独唱まで。これをいったどうやって比べるというのかさっぱり意味がわかりませんでした。もう皆、学生としては各音楽分野で最高なんだから単にコンサートにしても良いようなもんですが、盛り上げるために無理やりコンテストにしてるんでしょうかね。
写真は演奏前のLek君。大事な演奏の前には、一人でもワイクルーの儀式を行います。
冷房の効いた出演者達の控え室でロウソクや供え物のタバコに火をつけて祈ります。煙が出るしタバコ臭いし、周りから怒られないか心配でした。ケーンに酒を振りかけるので、ラオカオの香りも漂ってしまいます。でもこうやって祭ってあると、他の人も前を横切る時にちゃんとワイしていくんですね。こういうところがタイらしいなぁと思ったりして。
今回のLek君の演奏はライヤイとトァーイ。彼のことだから超絶技巧を期待していたんですが、非常にオーソドックスで丁寧な演奏でした。なにしろいろんなジャンルがごちゃ混ぜのコンテストだから、イサーン音楽に馴染みの無い人にも極力分かりやすいものにしたのかもしれません。
しかしトァーイの時に後ろに座ってた女性が小声で合わせて歌うのでちょっと困った。普通のコンサートなら良いんだけど。まぁ、「やめろ」とは言いませんでしたが。トァーイはそれだけ誰にでも馴染みのある旋律ということでしょうか。
左のおじさんはマヒドン音楽大学のサノーン・クランプラシー教授。Lek君の監督として会場に来ていました。
サノーン教授は知る人ぞ知る、タイでも初めてきっちり書かれたケーンの教科書と言われる『The Art of Khaen Playing』の著者です。実はLek君はその教授の秘蔵っ子というわけでした。この本の存在は1年ぐらい前にmixiで教えていただいてすぐに入手したんですが、ケーンの演奏法についてこれほど詳細に解説された本はそれまで見たことがありませんでした。
こちらが優勝したバイオリン独奏のシーワンさん。演奏は確かに凄かったけどそれに加えて凄い美人で、スタイルが良いといわれるタイ人女性の中でも抜群のスタイルでした。これは誰でも見とれちゃいますね。おまけに控え室で衣装の上からちょっと下着が透けて見えたりして、かなり反則ぎみでした。
それにしても、これとケーン独奏を比べてどうしようと言うのか、という疑問が最後まで残るコンテストでした。
MohKhaen ChaiWat KoPhonRat (Lek) 2008-01-20 SETTrade, Bangkok (Monoral 64Kbps)