2009-05-17

合宿-3

5月10日(日)の合宿三日目、前日4時まで飲んじゃったことも有って昼起き。もうすっかりだれてますが、一応午後だけ練習。

この日は合宿参加者の倍音さんが旅行日程の都合で、一足先に合宿から離脱です。

出発前にアーチャー先生とセッションする口琴演奏家の倍音さん。そういえば口琴とケーンって、見たこと無い組み合わせでした。

前日見学に行ったヤソートンの宴会で歌で出演していたナータシン・カラシンの先生が来たのでちょっと練習に付き合ってもらったりして。当然ですが練習したスタイルとは違うので、そうそううまくはいきませんでした。

アーチャー先生とケーンを習う日本人3人の図。

夕飯。三日目でやっと、まともなイサーン料理が食べられた。普段バンコクに居ても、一日一回はカオニャオ食べないとしっくり来ないので嬉しい。その一食以外ビールだけという日も多い自分は、ちょっと不摂生ですね。毎食二人前を食べるJさんを見習いたいところです。

その後近所の飲み屋へ。野外パブみたいな店の小ステージで先生の友達が歌ってたので合流。宿舎でまた飲みなおしになっちゃいました。

ラーチャパット・ロイエト大で教えている先生だったか、もちろんケーン吹きます。先生のラムに対して、手馴れた感じで伴奏してました。



翌4日目、11日(月)も前日飲みすぎたせいか(こればっか)、だらだらと昼近くに起床。いつもケーンの保守をお願いしているロイエトのケーン職人、ブア先生の家へ。

全く相変わらずのブア先生ですが、なんだか行く度に家が拡張されて大きくなっています。大きくなった家のせいで作業場も今まで有った場所から数メートル移動してました。定評が有るブア先生のケーンはいつも注文を捌くだけの状態で、ほとんど在庫無し。

自分は今回また一本注文しちゃいました。ブア先生も作ったことが無いという、かなり変な仕様で注文したのでうまく仕上がるかどうかわかりませんが楽しみです。

相変わらずごちゃごちゃとした道具箱。


夕方、この時ケーンの修理に来ていたコンケンのモーラム楽団の方達のクルマに便乗してマハサラカムのバスステーションへ。自分は次の目的地へ行く為、一人コンケン行きのバスに乗りました。

今回は最初の意気込みからすると、かなりだれちゃいましたが、十分収穫の有る合宿だったと思います。そもそもこういうのはやったことも無かったし、日本人が3人も居るというのも珍しいことです。企画して頂いたJさん、ありがとうございました。また遠くないうちにやりましょう。

(合宿編終り)

 4日間過ごした宿舎。また来るでしょう。

2009-05-15

合宿-2 ヤソートンへ

合宿二日目、5月9日(土)は午前中だけ練習。午後はヤソートン県のブンバンファイ祭にアーチャー先生とマハサラカム大学の楽団が出演すると言うことで、見学に同行しました。

ブンバンファイは豊作祈願の雨乞いでロケット(バンファイ)を打ち上げる祭りですが、ヤソートン県はそのロケットの本場。毎年ロケットの暴発事故で怪我人や死者が出るのでも有名ですね。

そんなわけでマハサラカム大のバスで2時間ぐらいかけてヤソートン中心郡へ。

トラックに設置された巨大バンファイの山車2台。これは町を練り歩く為のものであって、飛びませんが。

今回はこの祭の夕食会での演目を見学。

マハサラカム大のポンラン楽団の演奏は常に定評が有ります。モーラムとしてナータシン・カーラシンの先生が出ていました。この方とも後でちょっと合わせてもらいましたが、やはりまだ自分は即座に合わせる力量は無いので全然合わず、無謀でした。

この日の目玉はモーラム・チャウィーワン。伝統モーラム界を何十年も率いているシンラピン・ヘン・チャートですが、今回はアーチャー先生がその伴奏を務めました。こりゃ凄い事だと言ったら、もう既に過去十回以上競演しているそうで、我々は今回の合宿の間中、すごい人に教えてもらっていたわけですねぇ。

この日のビデオ: モーラム・チャウィーワン&モーケーン・アーチャー


ちょっと驚いたのが、この日アーチャー先生がモーラム・チャウィーワンと話したのは舞台上が最初ということで、事前の打ち合わせとかが全く無いんですね。何をやるにしてもモーケーンはその場で即座に対応できないといけないということで、大変ですね。

2時間ぐらいだったか、宴会は終了。再び大学のバスで合宿地に戻るんですが、ナーンラム(ダンサー)の皆さんはカラシンの森で軍事教練中ということでカラシン経由となった為、マハサラカムに着いたのは既に夜中の1時過ぎでした。それから4時ぐらいまでビール飲んじゃったけど。それにしてもタイでは女性にも軍事教練キャンプが有るんですねぇ。

せっかくなのでモーラム・チャウィーワンと記念写真。

この日のナーンラム。タイプーカオの衣装でしょうか。

2009-05-12

ケーン合宿-1

文化センターでこの半年間、ケーンの練習に励んできた日本人Jさんの発案により、マハサラカム大学で合宿を行う事になりました。この時丁度タイに旅行に来ていた日本人の口琴演奏家の「倍音ケイイチ」氏の興味も引き、今回一緒に参加する事になりました。

5月7日(木)夜、モーチットのバス・ステーションに集合した我々3人は、「食う、寝る、トイレ以外は練習し続ける」と、ビール飲みながら誓い、マハサラカム県に向けて出発。翌朝にはマハサラカム大学芸術学部に到着です。


今回の我々の合宿には、マハサラカム音大で教鞭をとるアーチャー先生の全面協力を頂き、講義室と宿泊所を提供して頂けました。きっとJさんの熱意に打たれたのでしょう?

熱意満々の我々は休憩もそこそこに、到着日の朝から練習。個々の参加者の目的はばらばらで、倍音ケイイチ氏はきちんとケーンを習うのは初めて、Jさんは練習暦半年でのステップアップ、自分はラムクローン伴奏の初歩を、といった感じですが、今回これら全てをアーチャー先生に面倒を見て頂きました。

倍音ケイイチ氏はパフォーマー暦が長いことも有って飲み込みが早いです。ケーンは最初にドレミを覚えるところでいきなり大変だったりするんですが、初めてとは思えない早さでこなして最初の曲の旋律も覚えてしまいました。さすがですね。

倍音ケイイチ氏の口琴コレクションにものすごく興味を示すアーチャー先生。

一方、Jさんは文化センターにこの半年間来ていたので、ポンラン楽団の曲については自分が助言させて頂いて来ましたが、今回はアーチャー先生から本格的にラーイ・ヤイ(低いマイナー調のモード)の訓練を受けました。ラーイケーン(ケーン独自の旋律)を覚えること自体がまず、普通の歌を覚えるのと違ってかなり苦しいことですが、これを一つ超えると大きな達成感が有るんじゃないでしょうか。

アーチャー先生の訓練を受けるJさん。

自分の今回の目的はラムクローン伴奏ですが、ちゃんと訓練を受けるのはこれが始めて。合宿を通じて練習できたのは一曲だけ。想像通りの難しさでヒーヒー言わせて頂きました。

ラムの構造はその土地や歌い手ごとに多様なんですが、その歌い手独自の構造を知っていても、ラムの進行を掴むには歌い手の発する信号(合図となる言葉)をキャッチして即座に対応しなければならないわけでして、リズムを刻んでいる時に送られてくる信号を逃すと一気に通り過ぎてしまって形を成さなくなってしまうわけです。

自分はどうやら集中力が切れて雑念がよぎった瞬間に信号を取りこぼすことが多いようで、延々と何度もやり直しました。最後には少々慣れてきましたが、今回覚えたものが、無数にあるスタイルのただ一つだけなんだと思うと先が思いやられます。

そんなわけで合宿初日は朝から夕方までみっちり練習で、異常に長く感じた一日でした。食事と練習の繰返しなので、学食には一日で飽きましたね。

校舎の四階でくつろぐ猫の親子。
(続く)